情報元 : 琵琶湖の絶景と手作り日替わりランチ、地元で人気「30番」閉店に惜しむ声京都新聞 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190708-00010002-kyt-l25

 今津港(滋賀県高島市)から竹生島の浮かぶ琵琶湖を見渡しながら食事を楽しめるレストランが、8月下旬に閉店する。同店が入居している建物が老朽化で建て替えられるためで、常連客の地元住民や港を発着する観光船の利用者から「もったいない」と惜しむ声が上がっている。
 同市今津町今津の「喫茶・食事30番」。店名は竹生島宝厳寺の西国第三十番札所にちなむ。1974年7月の開港時に建てられた琵琶湖汽船今津営業所(鉄骨2階建て、延べ114平方メートル)2階にあり、現在は市内の酒販業玉木忍さん(62)が経営している。
 玉木さんが「30番」をオープンしたのは2011年。それまで別の人が経営していた店内を一部改装し、東向きのガラス張りの壁面にあった家具を取り払い、店内を明るく、琵琶湖への見晴らしをよくした。「毎日色が変わる湖の景色が楽しめる。晴れ渡った日には対岸の長浜、彦根のまちがくっきりと見える」と話す。
 琵琶湖汽船(大津市)から建て替えに伴う閉店を告げられたのは昨年末だった。新しい営業所は木造平屋建てで、来年3月開所予定。同汽船の担当者によると、建設コスト削減のため、飲食店や売店のスペースは設けない方針という。
 「30番」は約30席がランチタイムにはほぼ満席となる。地元の主婦計5人がほぼ年中無休で切り盛りし、手作りの家庭の味にこだわった日替わりランチ(税込み540円)が人気だ。閉店を知った客からは「とても寂しくなる」との声が玉木さんに寄せられているという。
 常連客の一人、前川勉さん(71)は「琵琶湖周航の歌資料館と並んで地元が誇れる名所、名店。なくなるのは残念」と話す。玉木さんは「閉店の日まで、お客さんを精いっぱいもてなしたい」と力を込める。